この記事では、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」に登場するフレイヤの侍女頭であるヘルンについて解説・考察していきます。
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ダンまちのヘルンとは?
フレイヤ・ファミリアに所属し、フレイヤの侍女頭(侍従頭)を務める女性です。
見た目
ベル曰く、「目の覚めるような美少女」です。
灰色の髪をしており、前髪で顔の右半分を隠しています。
瞳の色は黒色で、ベルの前に現れた時は黒を基調にしたドレスを着ていました。
性格
ヘルンの性格ですが、フレイヤ・ファミリアではよくあるともいえるフレイヤ以外には冷たい性格です。
ベルに「品のない顔」「不愉快」といった言葉を口にしています。
ヘルンの基本情報
所属 | フレイヤ・ファミリア |
---|---|
ステータス | 不明 |
スキル | 変神魔法【唯一の秘宝】: フレイヤになることができる秘術。発動している間、フレイヤと五感を共有し、想いを一方的に受信する。ただし、「神の力」は使うことはできない。 |
ヘルンとフレイヤの出会い
雪が降る日に、貧民街で孤独だったヘルンを、フレイヤが手を差し伸べたのが出会いです。
フレイヤはヘルンを助ける際に、ヘルンに望みを聞きます。
その際に、ヘルンは「あなたになりたいです。」とフレイヤに伝えます。
これを聞いたフレイヤは、真名の交換という形で望みを叶えます。
真名の交換は、運命の交換と同義であるとされます。
ヘルンとシルの関係
ヘルンはフレイヤと真名の交換を行う前までは、シルという名前でした。
真名の交換でフレイヤにシルというあげ、ヘルンという名前をもらうことになります。
つまり、真名の交換を行う前までは、シルという名前であったということになります。
豊穣の女主人で働く従業員にシルという女性がいます。
ヘルンと豊穣の女主人のシルは別人物になります。
北欧神話での『ヘルン』
ヘルンは、愛と美の女神とされるフレイヤが夫であるオーズを探す最中に名乗った異名です。
つづりは「Hörn」であり、「ホルン」とも「ホーン」とも呼ばれることがあります。
ヘルンとフレイヤの勝負
ヘルンは、私もベルのことが好きになってしまったといい、フレイヤに交渉を持ちかけます。
ベルを巡って、どちらがその心を得るか勝負をしたいという内容です。
そして、勝負のために、豊穣の宴の中の一日を分けて欲しいとフレイヤに交渉を行います。
フレイヤは、この勝負を受けることを決め、ヘルンに次の3つの条件を課しました。
- 嘘が見破られた時、負けを認めること
- 嘘が見破られた時点で、ベルに何もしてはならない
- ベルの前に二度と姿を現してはいけない
3つ目の条件が、嘘が見破られた時なのか、勝負に負けてしまった時なのか、文章からははっきりと読み取ることはできませんでした。
この条件をもとに、ヘルンとフレイヤは勝負を行います。
ヘルンについての考察
ここでは、ヘルンについて気になった点を考察していきます。
真名の交換の契約について
ヘルンの真名の交換を果たした際に、「定めは決定づけられた」といい、その後に「それでも構わなかった」という発言をしています。
これは真名の交換によって、ヘルンがたどることになる運命だと予想されます。
つまり、北欧神話でフレイヤがたどる運命のことかと思われます。
フレイヤの結末に関しては詳しくはわかりませんが、構わなかったと発言されるあたり、あまりよくない結末・運命かと予想がされます。
16巻の「Monologue」
16巻には、「Monologue」がⅠからⅤまであります。
16巻を初めて読んだときは、この「Monologue」はシルの様子を描いたものだと勘違いしてしまう方が多いはず。
しかし、16巻を最後まで読むと、この「Monologue」がヘルン視点であったことに気がつきます。
Monologue Ⅰ
ヘルンがフレイヤに勝負を持ちかける時の様子が描かれています。
Monologue Ⅱ
ヘルンがオッタルに協力を持ちかける時のことが描かれています。
おそらくこれは豊穣の宴の2日目に、ベルとヘルンが二人きりで会うための協力であったと考えられます。
ここで気になるのが、フレイヤの本当の願いをオッタルも感づいているという発言です。
Monologue Ⅲ
シルとベルが豊穣の宴の1日目にデートを行っている最中の様子です。
豊穣の宴の1日目でヘルンは、変神魔法を使用しており、フレイヤとして柱の上にいました。
変神魔法の弊害として、想いを一方的に受信するというものがあります。
つまり、ベルにイケメンぶりにときめいているシルの感情がヘルンまで感じていたということです。
「騙されないで!」などといっているのは、デートをしているシルに対してでしょう。
婦人たちのセリフは、柱の上にいるフレイヤを見て発言しているものとなります。
Monologue Ⅳ
船から飛び込んだシルとベルの様子が描かれています。
この際にも、ヘルンはフレイヤとして変神したままだったのでしょう。
Monologue Ⅴ
ベルとシルが一夜をともにしたときの様子を振り返り、ヘルンが感じたことを描いています。
シルを受け入れなかったことをヘルンは喜び、一方でフレイヤを狂わせてしまったことを憎んだということでしょう。
ヘルンは死んだ?
16巻のエピローグにて、「少女は死に・・・」というセリフがあります。
「六章 望みの代償」ですでに、アレンに死ぬ前にと言われています。
時系列を簡単にまとめると、次のようになるでしょう。
- ベルと別れたヘルンはアレンに見つかる
- シルとベルに告白し、振られる
- シルは涙を流し、ヘルンも涙を流す
変神魔法を使用していなければ、想いを受信できないので、アレンに殴られる前にシルは振られていたと考えられます。
そして、ヘルンが死ぬことで、真名の交換による契約は破棄されたと予想されます。
そのため、「シルの時間が終わり・・・」という発言が出てきたのかもしれません。
そのあとの発言から、シルという真名を得ていたことで、女神から解き放たれ自由になりたいというこだわりがあったのかと思われます。
それが契約が破棄されたことで、そのこだわりから解き放たれたということでしょう。
ヘルンの初登場は本編7巻の春姫編
16巻がヘルンの初登場かと思っている方がいるかもしれませんが、実は春姫編で登場しています。
7巻「5章 殺生石」で、フリュネに囚われていたベルを春姫を逃したシーンの後です。
フレイヤ・ファミリアの本拠である戦いの野で、ヘルンがイシュタル・ファミリアに動きがあったことをフレイヤに伝えています。
オラリオがいないときの報告役はヘルンが務めているようです。
クロニクルシリーズで実はヘルンの正体について伏線があった
ヘルンは、ダンまちの世界を補完する「クロニクルシリーズ」の第二弾で登場しています。
それが、ヘルンとフレイヤの出会いのシーンです。
実はその後に、シルがベル宛に料理を作るシーンがあります。
そこに味見役として、またヘルンが登場しています。
本編16巻を読んだ方は、かつてのシルがヘルンであったことはわかっているでしょう。
16巻を読んでいないとこのシーンはすべて豊穣の女主人のシルのものであると思ってしまうはずです。
しかし、ヘルンの正体がわかっていると、このシーンはすべて豊穣の女主人のシルではなく、ヘルンに焦点があたっているということに気づくはず。
本編で明らかになる前に、感が良い方は可能性として気づいていたのでしょうか・・・
こんなところにも伏線があったなんて、読み返してみてすごい驚きました。