コミックゼノンで連載されている「終末のワルキューレ」29話のネタバレ・感想です。
前回のあらすじ
最後の御業を発動するヘラクレス。それに対してジャックは、ビルを神器化し対抗する。両者ともに満身創痍で限界が近づく。
『終末のワルキューレ』29話「勝ったのはオレだ」のネタバレ
「誰からも愛されていない
愛を教わることもないー
かわいそうな 子どもだった
だからせめて 神様くらいは・・・
あの子を愛してあげて欲しいと思った」
血まみれの部屋で一人の女性が心に語る。
対峙する二人。ジャックは息遣いが荒く、傷口から血が出ているのを抑えている。
「二人でー 最高のフィナーレに致しましょう」
限界が近づく二人に観客は息を呑んで見守る。
ヘラクレスは悠然と歩を進め始める。
それに対して、ジャックもドアと木材を手にし、この試合初めてとなる接近戦で応戦をする。
激しい打ち合いは両者互角。ヘラクレスの片腕がないことで、この均衡が保たれていると言える状況であった。
が
ヘラクレスが振り抜いた右腕がジャックの腹を穿つ。
後方へと吹き飛ばされ倒れるジャック。起き上がるも口から血を吐いてしまう。
だがヘラクレスも時間があまり残されていない様子である。
ここでジャックはヘラクレスを向い打たずに逃げ始める。
ジャックの出血量からも、これはただの時間稼ぎではない様子。
他の神は何かジャックには狙いがあると見抜くが、はっきりとはわからない。
と
ヘラクレスの攻撃をかわしたジャックは、死角をつき暗器を打ち出す。
右目の下と縫うように暗器が突かれるも、ヘラクレスの致命傷にはならず。
カウンターの拳がジャックの顔面を激しく殴打する。
ジャックは白目をむき倒れたまま、起き上がれない。
人類の観客は黙り、静かになってしまう。
これで終わり、人類の誰もがジャックの敗北を悟る。
人類の希望を託せるやつじゃなかったと。
しかし、一人の女性が
「だったら自分も神様に立ち向かってみろっての
あの子は独りでそれをやってるんだよ」
と
「ロンドン橋・・・ 落ちた・・・
落ちた・・・落ちた・・・
ロンドン橋・・・ 落ちた・・・」
とジャックがつぶやき始めるのを聞こえてくる。
ジャックは鉄の柵を杖代わりにして、なんとか立ち上がる。
だがジャックの足はおぼつかずにフラフラしている。どうやら意識がない、もしくは朦朧としている様子であった。
それでも戦う構えをとるジャックに対して
「強いな」
とヘラクレスは感嘆する。
「ロンドン橋・・・ 落ちた・・・
落ちた・・・落ちた・・・」
そんな歌を口ずさむジャックの青年時代が映し出される。
ふらつきながらもヘラクレスのもとにたどり着いたジャックは、表情が変わり柵をヘラクレスめがけて穿つ。
それに反応しヘラクレスも拳をかかげる。
「コッ」
ジャックの攻撃はヘラクレスの右を通り過ぎ、拳がジャックの額へと当たる。
武器を落とし、膝から崩れ落ちるジャック。
「お前はー よくやった・・・
もう・・・苦しむな」
と心の中でジャックへの弔いをつぶやくヘラクレス
「逝け」
ヘラクレスつぶやき、手を振り下ろす。
ダン!!
倒れるかと思われたジャックは強く踏み込み、両手を構える。
ドッ
・・・
・・・
両者沈黙する
観客たちが見たものは、ジャックの両手に貫かれたヘラクレスの姿であった。
「Dear GOD」
ジャックはこの技の名前だとヘラクレスに伝える。
神たちは人間の手刀で身体を貫かれていることに驚く。
ヘラクレスはそれを血を神器化したものだと理解した。
「オレの心は変わって見えるか・・・?」
ヘラクレスは問う。
「いえ・・・私の負けです」
と答えるジャック。
とヘラクレスの手が動く。
「忘れるな
オレは・・・いついかなる時も
人間をー 愛している」
そう言いながらジャックを静かに抱くヘラクレス。
「あとは任せたぞ
この愚かしくも 愛しい人類を
救ってくれ」
ヘラクレスは微笑みながらそうブリュンヒルデに告げて逝く。
涙を流す神たち
ジャックはヘラクレスが逝くのを見届ける。
ヘラクレス VS ジャック・ザ・リッパー
試合時間:26分57秒
決まり手:Dear GOD
勝者: ジャック・ザ・リッパー
『終末のワルキューレ』29話「勝ったのはオレだ」の感想
勝負を制したのは、劣勢に見えたジャック・ザ・リッパーでした。
戦闘スタイルから何が決め手となるかわからない雰囲気は感じ取れましたが、最後に勝負を決めたのは己自身の肉体でした。
しかし、死の瞬間まで人間を愛し続けたヘラクレスには感動してしまいます。
最後には、哀を超える愛を受け取ったジャックの勝利となりました。